FX Market Clock / JST Reference

FX 24時間サイクル
& アノマリー

東京→ロンドン→ニューヨークと引き継がれる為替の1日を、日本時間(JST)基準で整理したリファレンス。時刻はすべて夏時間・冬時間の両方を併記し、米・欧の主要経済指標も重ねています。FXはOTC(相対)市場で24時間動くため、以下の「セッション」は取引所の営業時間ではなく各金融センターが活況になる時間帯の慣習的な目安です。

01 24時間セッション帯+指標
東京 ロンドン NY ロンドン×NY重複=最高流動性 フィックス/節目 米指標クラスタ
フィックス・節目
米経済指標(JST・発表が集中する時刻)

横軸は東京の0:00から翌朝のNYクローズまでを一直線に並べたJSTタイムラインです(切替ボタンで夏/冬が入れ替わります)。金・青のバーが重なる黄色の網掛け帯がロンドンとNYが同時に開く流動性のピーク。赤=フィックス/節目、緑=米指標の集中時刻です。

02 タイムライン一覧(夏/冬併記)
イベント現地時刻JST(夏)JST(冬)補足
東京市場コア東京 09:00–15:0009:00–15:0009:00–15:00日本勢中心。相対的に低ボラで、レンジになりやすい
仲値(TTM)決定東京 09:5509:5509:55対顧客の基準レート確定。ゴトー日アノマリーの核(→§05)
東京カット(option cut)東京 15:0015:0015:00東京時間のFXオプション期日
ロンドン・オープンLondon 08:0016:0017:00流動性が一段増す起点
NY・オープンNY 08:0021:0022:00米勢参入。ロンドンと重なり流動性ピークへ
ロンドン×NY 重複帯最高流動性21:00–01:0022:00–02:001日で最も出来高が厚い。特に濃いのは最初の約3時間。あなたのデイトレ窓(21–24時JST・夏)が芯にある
NYオプションカットNY 10:0023:0024:00"New York cut"。大きな期日ではストライクへピン止め
WMR 4pm ロンドン・フィックスLondon 16:0024:0001:00世界の指標フィックス。月末はリバランスでフロー集中(→§05)
ロンドン・クローズ目安London 17:0001:0002:00欧州勢が退出。以降は米単独の時間帯
NYクローズ(日替わり)NY 17:00翌 06:00翌 07:00FXの1日の区切り。日足の始値/終値・スワップ付与の基準(→§04)

※ スマホでは横スクロール。現地時刻は慣習的な目安で、業者・情報源により多少前後します。

03 主要経済指標の時刻(JST・夏/冬)

為替を最も動かすのは米指標。米指標のJSTは米国のサマータイムに連動し、欧州指標は欧州のサマータイムに連動します。両地域の切替日はズレるため、年2回の「ねじれ期間」(→§04)では下表と1時間ズレる点に注意。

指標/イベント発表(現地)JST(夏)JST(冬)頻度
米国(ET基準・夏=EDT/冬=EST)
ADP雇用08:15 ET21:1522:15月次(水)
雇用統計(NFP・失業率)08:30 ET21:3022:30月次・原則第1金曜
CPI / PPI08:30 ET21:3022:30月次
小売売上高 / GDP / PCE08:30 ET21:3022:30月次
新規失業保険申請08:30 ET21:3022:30毎週木
ISM製造業/非製造業・JOLTS・消費者信頼感10:00 ET23:0024:00月次
EIA原油在庫10:30 ET23:3024:30毎週水
FOMC 政策金利(声明)14:00 ET翌 03:00翌 04:00年8回
FOMC 議長会見14:30 ET翌 03:30翌 04:30会合時
欧州・英国(欧州の夏/冬に連動)
英 CPI / 雇用(ONS)07:00 London15:0016:00月次
BOE 政策金利12:00 London20:0021:00年8回(木)
ECB 政策金利(発表)14:15 CET21:1522:15年8回(木)
ECB 会見14:45 CET21:4522:45会合時

※ 米の8:30 ET群(雇用統計・CPI等)はあなたのデイトレ窓の入口(夏21:30/冬22:30)に集中。FOMCは窓の後・深夜帯(夏翌3:00/冬翌4:00)です。個別の開催日は各公式カレンダーで確認を(→§07)。

04 各時間帯の読み方(表の外の解説)

東京(アジア)— 09:00〜15:00 JST

日本・アジア勢が主役。ロンドン勢が入る前で参加者が限られるため、方向感が出にくくレンジ〜緩やかなトレンドになりやすいのが基本性格です。ただし本邦の実需フロー(仲値)や要人発言、アジア株・中国指標で大きく動く日もあります。

仲値(なかね/TTM)— 09:55 JST

銀行がその日の対顧客取引の基準レートを確定させる時刻。輸出入企業などの実需決済がこの時刻に集中するため、ドル円では9:55に向けてドル買い(円安)に振れやすいという偏りが知られています。FSBの報告書でも、各金融機関が顧客注文を集約し東京時間9:55前後に単一レートで執行する仕組みが明記されています。これがゴトー日アノマリー(§05)の土台です。

ロンドン(欧州)— 16:00/17:00 JST 〜

世界のFX売買の約4割が英国の拠点を経由する、最大の取引センターです(BIS 2025)。ここで一気に流動性が増し、その日の本格的なトレンドが始まることが多い。

ロンドン×NY 重複帯 — あなたの主戦場

夏 21:00–01:00/冬 22:00–02:00 JST(特に濃いのは最初の約3時間)

ロンドンとNYが同時に開くこの時間帯が、1日で最も出来高が厚く・スプレッドが締まり・トレンドが素直に伸びやすい。あなたのデイトレ窓(21:00–24:00 JST)は、夏時間ならこの重複帯の芯にほぼ完全に収まります。冬時間は全体が1時間後ろにずれるので、同じ手法でも開始を22:00起点に読み替えると整合します。米の8:30 ET指標(夏21:30/冬22:30)はちょうどこの窓の入口で出ます。

NYクローズ — 翌 06:00/07:00 JST(日足の区切り)

NY 17:00がFXの「1日」の終わり=翌日の始まりで、日足ロウソクの区切りとスワップ付与の基準です。米国の夏時間に連動するため、日足の切り替わりは夏06:00/冬07:00 JSTとズレます。多くのチャート(OANDAを含む)が既定でこのNY 17:00を日足境界にしていますが、業者ごとに設定が異なる場合があるので、日足の始値・ヒゲに依存する検証では自分の執行業者の区切りを必ず確認してください。

夏時間・冬時間の「ねじれ」に注意

米国とロンドン/EUは切替日が違うため、年2回、想定とズレる期間が生じます(2026年):

日本(JST)は年間 UTC+9 固定で切替なし。上の各表の「夏/冬」は、両地域がそろって夏/冬になっている大半の期間の値です。

05 主なアノマリー

「強度」は、値動きの背後に実需・制度という構造的な原因があるか(=再現性が期待できるか)の目安。構造的=仕組みで説明できる/限定的=条件付き・減衰/俗説寄り=統計的根拠が弱い。いずれも単体では優位性にならず、スプレッド・スリッページを引いた実効ベースで自分のデータ検証が前提です。

ゴトー日 × 仲値

限定的
仕組み5・10のつく日(5/10/15/20/25/30)は輸入企業のドル決済が集中しやすく、9:55の仲値に向けてドル円が上昇(円安)に振れやすい。神戸大の学術検証では、特に「金曜かつゴトー日」で偏りが強いことが統計的に確認されています。
注意①公知の手法で近年は効き目が縮小、②スプレッド/スリッページで実効優位はさらに薄い、③仲値後(9:55以降)はむしろ反転(円高)しやすいとの検証もある。思考停止での固定運用は危険。

WMR 4pm ロンドン・フィックス

構造的
仕組み世界の株・債券指数が参照する事実上の標準フィックス(FSB 2014が「圧倒的に支配的」と明記)。指数連動フローがこの1点に集約され、16:00ロンドン前後でボラと値幅が明確に増大(学術研究でも確認)。特に月末・四半期末はリバランスで一段と大きい。
注意2013年の不正操作発覚→2015年に算出窓が1分から5分へ拡大。ここでのスパイクは実需フローでありトレンドの示唆とは限らない。飛びついて順張りすると往復ビンタになりやすい。

指標発表時刻のボラ(8:30/10:00 ET・FOMC)

構造的
仕組み雇用統計・CPI(夏21:30/冬22:30)やISM等(夏23:00/冬24:00)、FOMC(夏翌3:00/冬翌4:00)の瞬間はボラが跳ね、スプレッドも開く。「時刻そのもの」が構造的な変動要因で、あなたの窓の入口に固まっている。
注意方向は事前に不定。指標をまたぐ既存ポジションや、発表直後の飛びつきは滑りやすい。むしろ発表前後を避ける/別ルールにする、という時間帯フィルタとして使うのが実務的。

オプションカット(NY 10:00 / 東京 15:00)

限定的
仕組みFXオプションの期日時刻。大きなストライクやバリアが近いと、その水準に価格がピン止めされたり防戦の攻防が起きる。NYカット(夏23:00/冬24:00)が最大規模。
注意どのストライクに玉があるかは個人には見えにくく、常に効くわけではない。大口の期日が集中する日限定で、事前把握が難しい。

月末・期末リバランス(特に3月=年度末)

構造的
仕組み月末はWMRフィックス向けの指数リバランス、四半期末・年度末は本邦勢のリパトリ/ヘッジ調整フローが乗り、月末数日はフロー起因の不規則な動きが出やすい。
注意「月末はドル売り/買い」の類は年により逆。方向の固定ルール化は危険で、"荒れやすさ"として認識するのが安全。

薄商い期のボラ低下&フラッシュ

限定的
仕組みお盆・年末年始・GW・欧米の夏枯れ(8月)・クリスマス〜正月は参加者減で低ボラ。一方、板が薄いぶん急変(フラッシュクラッシュ)が起きやすい両面性。年始早朝の薄い時間にドル円が急変した事例もある。
注意「動かないから」と大ロット・広ストップで放置すると、薄商いの急変で想定外の損失に。むしろ枚数を落とす場面。

曜日・週内の傾向

俗説寄り
仕組み「月曜は窓・様子見で方向感が乏しい」「金曜NYクローズ前はポジション調整で失速しやすい」等。行動としての説明はつくが、通貨ペア・期間で符号が変わりやすい。
注意サンプルを絞ると簡単に有意に"見えて"しまう(多重比較・過剰最適化)。単体根拠にせず環境認識の補助に。

季節性(Sell in May / Santa rally / 1月効果)

俗説寄り
仕組みいずれももともと株式のアノマリー。FX(特にドル円)への直接の転用根拠は弱く、リスクオン/オフ経由の間接的な連想にとどまる。
注意「株のアノマリーだから為替も」は飛躍。使うなら株経由の相関を自分で確かめてから。
06 あなたの環境での実践メモ
07 出典(一次情報中心)
JST基準・2026年の夏冬切替に準拠 / セッション・指標時刻は目安。売買判断は自己責任で、必ず自分の執行環境で検証を。